sixty years on
♪who'll walk me down to church I'm sixty♪ で始まるElton John の歌。あれを聴いたのはは、15の頃だった。そして15年後の広島。因幡晃のツアーの最終日。僕たちは遠い未来の約束をした。30年後の約束をした。もう一度このメンバーや、古いメンバーたちで集まってバンドを組んでかれのステージをやろう、と。あれから、因幡はもちろん歌っているし、メンバーたちも変遷はあれど、関わっていたり、周りにいたりして、何も変わらない歌手と演奏家たちの関係がある。 ひとつだけ変わったのは年齢。あっという間だった。気が付いたら、その約束は遠い未来の約束ではなく、ともすれば、明後日くらいの場所にある。打ち上げの席では、「もう誰か死んじゃったりしてね。」などと、嘘かホントかわからないような冗談が飛んでいたが、現実的には、誰か死んじゃってもおかしくない年代に入ってしまった。約束なのか、希望なのか、予定なのか、なんだかわからないけれど、あの約束はまだ生きているわけで。 「60歳のとき」というエルトンジョンの歌は彼のデビューアルバムの秀逸な一曲で、そのなかには、あのYour Song, Border Song などが入っていた。 ある日、Ms.M. に、「あと何回満月を見たら召されるのかなあ、」とメールしたら、返ってきたメールには「あと何回満月見たらお腹から子供でてくるんだろ?」って書いてあった。(いま妊娠してる) ぼくらの約束は僕らみんなで見ることができるのだろうか。 あのときのままのみんなで、同じような演奏ができるのだろうか。 音楽を約束のとおりに現実にできるのだろうか。 曇り空のあいだから青空が見えた今日のひるま、なんとなく思い出していたら、ひとつの秘密を公表したくなった。~べつに秘密じゃあないけれど「秘密」という、ことばの響きを使いたくなったんだ。 PAのチーフだった末広一浩は、5年前に、早くも準備のために旅立ってしまった。