コスモス・サクラ
長崎の荒木氏の自宅で見たコスモスの絵は、繊細でたおやかな香りを放っていた。こんなにいろいろな色でいいのかと思うくらい大胆な色であったり、水墨画のような薄いトーンのものもあった。しばらくコスモスのことは忘れていた。
ある日友達が桜の絵のことを話し、その後、その絵に遭遇した。500号の油彩のそれは、律動を持った春の風だった。止まった景色なのに風が吹く。撓やかな枝は微かに音を立てている。「この絵の前であなたの音楽を聴きたい」と言う。この文句じゃ、そのままラブソングになるくらいだ。ボクは思った。「この絵の前で何かを奏でたいな、」と。三栖右嗣(みす・ゆうじ)のそれは、「ヤオコー川越ミュージアム」にある。きっと平和な時間が過ぎてゆくだろう。きっと人間の時間の短いことに気付くだろう。
あれよあれよの間に増えた「猫や」の庭の雑草を取ろうと思い、屈んだら、なんのことない、雑草なんかないじゃないか。どれも小さな花を咲かせて。 ドクダミなんかすごい綺麗だ。名前を全く知らない草花が30種類以上咲いている。つぼみを持っている。柊は種を落とした。百日紅は新しい葉がどんどん。併せて熊笹なんかも生えている。雑草なんかないじゃないか。間違えてました。どこをみっともないというのか判断できないけれど、みっともなくないくらいの雑草の生えたままにしておこうっと。


